報 道 情 報 (シックハウス・化学物質関連)

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28度を超えるとホルムアルデヒドが放散、木住協の調査
 日本木造住宅産業協会(木住協)は7月21日、シックハウス対策を施した個人住宅について、化学物質の室内濃度を実測した結果を、速報ベースで発表した。ホルムアルデヒドの濃度が厚生労働省の指針値を超えたのはすべて室温が28度以上の部屋、トルエンなどは経時的に濃度が大きく低下――といった事実を、精密な測定で改めて確認した。また、内装を天然木で仕上げた実験室の測定からは、ヒノキなどの放出するTVOC濃度が高いレベルであることもわかった。
 調査は、会員企業が受注し2004年1月以降に竣工した65棟130室について実施。竣工から引き渡しまでの間に、厚労省が示すアクティブ法により測定を行った。対象はホルムアルデヒドなど6物質とTVOC。夏季と冬季それぞれの竣工時期にわけて集計した。国土交通省の実態調査よりサンプル数が少ないものの、より精密に調査した。詳細は9月15〜16日に実施する調査・研究報告会で公表する。
(2005/7/26:日経BP・日経アーキテクチャー)
シックハウス、新築住宅の1%に有症者・厚労省研究班
 新築住宅に住む世帯の1%程度は家族が目の痛みや頭痛といったシックハウス症候群の症状を訴え、カビが生えるなど室内の湿度環境が悪いほど発症リスクが高いことが25日、厚生労働省研究班の調査で分かった。
 謎の多いシックハウス症候群について、発症率や住居環境との関係を全国規模で総合的に調べたのは初めて。研究班主任の岸玲子・北海道大大学院教授は「カビの発生や結露でアレルギーの原因物質が増えたり、建材が変化して化学物質が溶け出したりするのではないか。適切な湿度管理で症状が改善する可能性がある」としている。
 調査は2003年11月―04年6月に札幌、福島、名古屋、大阪、岡山、北九州の6市で実施。新築や改築から6年以内の一戸建てに住んでいる約2300世帯から回答を得た。
(2005/7/24:日本経済新聞・共同通信)
ホルムアルデヒドで子供部屋7割がシックハウスに
  「北京市の子供部屋のうち7割以上がシックハウス」という衝撃的な調査結果が発表された。原因物質は最近、中国製ビールをめぐり波紋を呼んだホルムアルデヒドだ。17日付で中国新聞社が伝えた。
  この調査は、北京市産品品質監督検疫所、中国室内装飾協会室内環境観測センター(室内環境センター)、北京連合大学室内環境観測センター、北京安家康環境品質検査センターが共同で行ったもの。北京市内にある、改修して1−2年以内の子供部屋500室が調査対象となった。
  1立方メートルあたり0.1ミリグラムの国家基準を超えるホルムアルデヒドが検出された部屋は361室で、全体の72.2%を占めた。最高で、基準値の8倍もの濃度のホルムアルデヒドが検出された。
  室内環境センターの宋広生・主任は「高温の夏は、ホルムアルデヒドの濃度が他の季節より20−30%高い。子供部屋の木製家具、プラスチック製のおもちゃ、カーテンなどがホルムアルデヒドの発生源だ」「夏休み期間、子供は1日の80%の時間を室内で過ごすため、ホルムアルデヒドを長時間吸入すれば、白血病が容易に誘発される」と危険性を指摘している。
  中国では白血病の患者は毎年4万人増えているが、そのうち半数は子供で、2−7歳児が多い。北京市児童病院で白血病にかかった子供のうち、90%近くが家を改修したばかりだったというデータもある。
(2005/7/19:中国・中国情報局)
「中国産ビールは安全」 発がん性物質の基準超含有否定
 「中国産ビールの95%に発がん性物質のホルムアルデヒドが含まれている」と報道され、中国のビール業界が揺れている。
 中国醸造工業協会ビール分科会は「中国産ビールの『ホルムアルデヒド問題』に対する声明」を発表、中国産のビールに含まれているホルムアルデヒドは自然食品より低い含有率で、飲んでも安全だと強調した。
 経済日報(電子版)によると、この声明では、一部のメディアが伝えた「中国産ビールの95%にホルムアルデヒドが安全基準(1リットルあたり0・2ミリグラム)の6倍以上含まれている」との報道を事実ではないと指摘した。
 中国国家食品安全品質監督検査センターのデータでは、ここ数年、同センターが実施した検査で、中国産ビールには1リットルあたり平均0・3ミリグラム程度のホルムアルデヒドが含有されているが、豚肉、鶏肉や、鮮魚、果物などの自然食品にも、微量のホルムアルデヒドが含まれており、その値は0・5%としている。
 これら自然食品に比べ、中国産ビールの含有量は低く、安全性を保てる範囲だという。
 声明は世界保健機関(WHO)が定めたホルムアルデヒドの安全基準は1リットルあたり0・9ミリグラムで、指摘されている中国産ビールの含有量より高く、「消費者は中国産ビールを飲んでも安心だ」としている。
 中国は、各地で地場ビールが製造されており、ホルムアルデヒドはビールの沈殿物を除去する用途で使われている。日本ではホルムアルデヒドは食品衛生法によって食品への添加が禁止されており、かわりに人体に無害なシリカゲルが使われている。
 ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質とされ、発がん性も指摘されている。このため、同分科会の声明によっても、日本の法制度上、ホルムアルデヒドを含有する中国産ビールの輸入、販売は難しくなりそうだ。
(2005/7/17:FujiSankei Business i.)
中国産ビールに発がん性物質含有か
 中国産のビールに発がん性が指摘されるホルムアルデヒドの成分が多量に含まれているとの情報があり、厚生労働省食品安全部は11日、全国の検疫所を通じ輸入業者に中国のメーカーへの事実確認を求める通知を出し、中国政府にも外務省を通じて調査を要請した。最近、中国からのビールの輸入量が増えているだけに早急な対応が求められる。
 厚労省に入った情報によると、ビールの沈殿物を除去する工程で通常は人体に無害なシリカゲルなどを使うが、中国のビール業者は価格の安いホルムアルデヒドを使用している恐れがあるという。ただ、外国資本の入っている工場では使っていないとの情報もある。
 財務省によると、中国からのビールの輸入量は、00年には約69万リットルだったが、昨年は177万5000リットルに急増。小瓶に換算すると約500万本になる。
 中国からビールを輸入している国内業者は7社で、昨年の輸入件数は100件程度だという。
 有名な銘柄は「青島ビール」。日本の中華料理店やアジア料理店などで広く飲まれている。また北京の「燕京ビール」も人気で、日本での流通量が増えている。
 厚労省は「ホルムアルデヒドの含有検査は水や魚などでは確立しているが、炭酸や雑成分が多く含まれるビールからの検出法はないのが現状」と説明。「確実な検査法があれば実行するが、現段階では製造者に確認するのが最善と判断した」としている。
 ホルムアルデヒドは、干ししいたけや薫製品から微量に検出されることがあるが、食品への添加は食品衛生法で禁止されている。住宅のフローリングの合板などに使われている接着剤や合成樹脂に含まれ、シックハウス症候群の原因物質とされる。発がん性が指摘されているほか、高濃度では肺炎を引き起こし、死亡例も報告されている。
(2005/7/12:スポニチ)
環境を考えるシンポジウム 北上で
 北上市の食の安全や環境問題を考える市民有志は9日、同市本石町の日本現代詩歌文学館で「北上市の環境を考えるシンポジウム」を開く。市議会とも連携し、合同で実行委(松平則子代表)を結成。市民と議会が協力し、生活者の視点で環境問題を考えるという初の試みだ。関係者は「次代を担う子どもたちに北上の環境を引き継ぐには何が大切かを考えたい」と多くの参加を呼び掛けている。
 市民有志は、日ごろ食の安全と健康を考える料理教室グループや環境問題に関心を持つ福祉、建設など多分野のメンバーで構成。市議会の経済環境常任委、市政調査会環境問題専門委にも呼び掛け、約15人の実行委を結成した。
 当日は、アレルギー専門医の水城まさみ国立病院機構盛岡病院副院長が「シックハウス症候群、科学物質過敏症について」、仙台市で小児科医院を開業する寺沢政彦医師が「私たちをとりまく生活環境(空気・水・土)は大丈夫?」と題して、それぞれ基調講演する。
 その後、特定非営利活動法人(NPO法人)アクシス委員会連合(盛岡市)の岩泉好和会長がコーディネーターを務め、市が制定する環境条例をどう実践していくかについて両医師と対談する。
 同実行委の松平代表と高橋典子さんは「北上は企業立地も進み、一方で農業生産地でもある。こうした地域で日々の生活を営む中、身近な視点で環境と健康、医療などの問題を考える機会にしたい」と話す。
 市議会の菅原晃議会事務局長は「近隣の自治体にも呼び掛けており、多くの参加を期待している」と成功を期す。
(2005/7/7:岩手日報)
悪質リフォーム:京都の男性提訴 弱者狙った強引勧誘、「耐震補強」効果なし /京都
 大阪市の業者「幸輝」を相手取り、京都市の男性(63)が契約取り消し確認などを求めて28日に京都地裁に提訴したリフォーム工事。男性の姉(65)が毎日新聞などの取材に応じ、「一刻も早く法で厳しく取り締まってほしい」と訴えた。
 訴状などによると、男性は統合失調症で通院中で、会話すれば通常人に比べ判断能力に欠けるとすぐに分かる。だが、同社の従業員は突然訪れて「屋根が落ちる」などと不安をあおり強引に勧誘。費用の高額さにちゅうちょした男性に「後戻りできない」と思いこませた。しかも「耐震補強」と説明しながら、実際は効果のない「改修工事」の契約を結ばせ、クーリングオフの説明も一切しなかったという。
 男性は訴状で「不実の告知で誤認させた」として、特定商取引法による契約取り消しを主張。契約書に商品名などの必要事項の記載がないため、クーリングオフも有効としている。
 府内と滋賀県内の弁護士や建築士ら約100人でつくる「欠陥住宅京都ネット」(中島喜代一代表幹事)に参加する原告側代理人の木内哲郎弁護士は「男性に判断能力があったとしても、契約取り消しや損害賠償が認められるケースだ」と指摘している【太田裕之】
 ◇来月2日電話相談
 「欠陥住宅京都ネット」は7月2日、弁護士と建築士が無料で電話相談に応じる「悪質リフォーム・欠陥住宅被害110番」を開設する。受け付けは午前10時〜午後4時で、番号は075・212・0817。
 悪質リフォームのほか、欠陥住宅やシックハウスの被害も対象で、弁護士13人、建築士8人が交代で対応する。
 同ネットによると、最近は訪問販売などで詐欺的に契約を結ばされる被害が増えているが、高齢者はだまされていることに気づかなかったり、子どもに非難されることをおそれて相談しないケースも多いとみられる。
 同ネット事務局長の神崎哲弁護士は「特定商取引法の適用で被害者の費用負担は限りなく小さく、クーリングオフなら原状回復も業者負担にできる。被害を受けたと思う人はあきらめないで電話を」と呼びかけている。
(2005/6/29:毎日新聞)
“居ながら施工”では施主が建材に接近する危険性も
 住宅のリフォームでは、施工中でも住まい手が引っ越さずに生活を続ける“居ながら施工”は通常でも珍しくない。まして、リフォームの内容が欠陥住宅の無償補修で、施工者に対する住まい手の信頼がいまひとつとなれば、“居ながら”にならざるを得ないだろう。
 今年4月、住まい手と住宅会社との間に神戸地裁で成立した和解は、住まい手の健康被害に対する住宅会社の責任を明確に認め、実質的に住まい手勝訴ともいえる内容だった。
 シックハウス症候群や化学物質過敏症について、住まい手に対する損害賠償責任が住宅会社にあるとする判決は、現在のところまだ出ていない。建材から出た化学物質と健康被害との因果関係を住まい手が立証するのに困難が伴うためだといわれる。
 立証困難とされるその因果関係が本件で認められたのは、建材と住まい手との距離があまりにも近かったためだった。
(2005/6/21:日経BP・日経ホームビルダー)
ひび通じ溶剤流出 保土ケ谷校シックハウス
  横浜市保土ケ谷区川島町の県立保土ケ谷高校(寺崎和男校長、660人)で5月に表面化したシックハウス問題は、雨漏り補修工事に使われた有機溶剤が校舎のコンクリートのひび割れを通じて屋内に漏れたことが原因とみられることが分かった。県の20日の対策検討委員会で報告された。
  高濃度の有機溶剤が検出された音楽室などの屋上部分のコンクリートを抜き取って調べた結果、多数のひび割れがあったという。
  雨漏り補修工事が実施されたのは昨年9月で、直後から教員や生徒が頭痛や吐き気を訴えた。5月に学校が実施した調査では308人の生徒が頭痛や吐き気などの症状があったと答えた。シックハウス症候群とみられる被害が広がった原因について、委員会に出席した田辺新一・早稲田大理工学部教授が「補修工事後にコンクリートのひび割れを通じて、かなりの量の有機溶剤が屋内に漏れ出したためと考えられる」と指摘した。
  また、委員会では不調を訴えて専門医を受診した生徒1人が、シックハウス症候群と正式に診断されたことも報告された。
(2005/6/21:朝日新聞・神奈川)
香料自粛を
 「公共施設では香料が含まれる化粧品は使わないで」――。化粧品や整髪料などに含まれる香料のにおいが苦手な人に配慮するため、岐阜市が市民にこんな呼びかけをしている。こうした使用自粛の呼びかけをしている例は珍しく、全国の自治体やNPO法人などから問い合わせが相次いでいるという。(安田琢典)。
 市環境保健室によると、香料を使わないよう市民に協力を求めている施設は、市役所や公民館、学校など市内168カ所の公共施設。4月から計214枚のポスターを各施設内に張り、自粛を呼びかけている。
 同市がこんな呼びかけをするようになったのは、化学物質過敏症に悩む人が増えているからだという。
 例えば、市内の小学校で保護者が多数訪れる授業参観などの際に、香料のにおいのために児童が体調不良を訴えたケースが報告されている。
 化学物質過敏症は、有機溶剤系の接着剤や農薬などに含まれる化学物質に反応し、頭痛やめまい、皮膚炎などが起きる疾患。こうした過敏症は国内に約100万人の患者がいるとも言われる。
 しかし、発症のメカニズムは未解明で、化粧品や芳香剤、合成洗剤などで具合が悪くなる人も少なくないため、公共の場で使用することに配慮を求める声も出ている。
 工場からの排煙や汚水などから発生する悪臭などは法による規制があるが、香料によるにおいを規制する法令はない。
 こうした事情から岐阜市の自粛呼びかけには、「公民館などの集会に参加しやすくなった」「楽しむための香りをやめさせられる根拠はない」など、賛否両論が寄せられているという。
 松山俊博・市民健康部長は「法的に規制できるものではないが、市が使用自粛を呼びかけることで、化学物質過敏症に悩んでいる人もいるんだということを多くの市民に知ってもらえれば」と話している。
(2005/6/20:朝日新聞・岐阜)
自動車や印刷業界、シックハウス対策広がる
 シックハウス症候群の原因といわれる揮発性有機化合物(VOC)を削減する動きが自動車業界などに広がっている。住宅メーカーの対策が先行していたが、日産自動車やトヨタ自動車なども内装に含まれるVOCを減らした新型車を投入し始めた。印刷業界も含めて、大気汚染防止のために製造工程での排出を削減する動きも加速している。
 ホルムアルデヒドやトルエンなどのVOCは自動車の内装品に使う接着剤に含まれる。日産は接着剤を水溶性に変更したほか、内装品のコーティング材に含まれるVOCを揮発させる手法など約30種類のVOC対策工法を確立。このほど発売した小型車「キューブ」の特別仕様車に採用し、厚生労働省が定めた指針値以下に抑えた。
 日本自動車工業会(自工会)は2007年度以降の新車について、VOCを厚労省の指針値以下に抑制する内容の自主基準を決めている。日産は「キューブ」特別仕様車以降のすべての新車についてVOC対策工法を導入し、2年近い前倒しを達成する。
(2005/6/17:日本経済新聞)
長野で消費者向けシックハウスセミナー
 シックハウスを考える会・長野支部は7月3日、「アレルギーの方のための住まい作りと住まい方」と題したシックハウスセミナーを開催する。一般消費者、特に喘息・アレルギー疾患に悩む人に適した住まいづくり・住まい方、カビ対策について説く。会場はサンピア松本。参加費は無料(資料代200円)。
(2005/6/16:新建ハウジング)
化学物質過敏症患者がNPO
 中国地方の化学物質過敏症(CS)の患者たちが民間非営利団体(NPO)の「CS発信ちゅうごく」を発足させ、十五日から電話による相談活動を始める。微量の化学物質でも頭痛などさまざまな症状が出るCSは、潜在的な患者も多いとされる。新組織は、安心して暮らせる環境の整備に向け、行政への要請活動も行う。
 代表者は、患者で島根県日原町に住む主婦平原千加子さん(49)。関西地区で相談活動をしているボランティアの紹介などで知り合った五県の患者たち十人も、設立に参加する。
 専用の相談電話は平原さん方に設け、患者や家族たちの悩みを聞き、生活改善のアドバイスをする。避難住宅の整備、農家との農薬散布の調整などを国、自治体に要請する考えだ。
 平原さんは一九九六年末、呉市内の一戸建てから同市内の新築マンションに引っ越して間もなく頭痛、目まいなどの体の異変を覚えた。その後、別の一戸建てに引っ越したが悪化し一時、寝たきり状態に。建材の化学物質が原因とみられた。
 二〇〇一年秋、東京都内の病院でCSとの診断を受け、翌年夏に夫の年秋さん(56)とともに「きれいな空気」を求め日原町に移り住んだ。今は回復傾向にあるという。
 日原町役場の職員や隣接する柿木村の有機栽培農家、シックハウス問題に取り組む呉市内の建築業者らも組織の活動を後押しする。平原さんは「当初は原因が分からずに悩んだ。多くの人に病気を認知してもらいたい」と訴えている。
 電話相談は午後一時―五時まで。年会費二千円で会員を募る。専用電話はTEL0856(76)0550。
(2005/6/15:中国新聞)
同様記事 化学物質過敏症のNPO発足
 化学物質過敏症(CS)を知ってもらおうと、中国地方のCS患者たちが15日、NPO(民間非営利団体)の「CS発信ちゅうごく」を発足。代表を務める島根県日原町左鐙の主婦平原千加子さん(49)が電話相談を始めた。突然に発症するCSは別の疾患と診断されるケースもあるといい、相談のほか行政への要請などを通じ、実態と環境改善を訴える。
 CSは何らかの化学物質を大量または長期間体に取り込むと発症。殺虫剤やたばこの煙、洗剤類など身の回りの微量の化学物質にも反応し、頭痛や吐き気などさまざまな症状が出る。
 同NPOは中国5県の患者8人など10人で発足。相談電話で悩みを聞き、受診や生活面でアドバイスし、自治体に農薬散布の調整などを働き掛ける。
 平原さんは9年前、呉市内の一戸建てから新築マンションに入居した後、頭痛など体の変調を感じた。再度、別の一戸建てに移ったが、症状は悪化し一時、寝たきりに。建材の化学物質が原因とみられ、東京の病院でCSと診断され、3年前に日原町へ移住した。
 同NPOには柿木村の有機栽培農家や同町住民ら5人も会員に加わった。平原さんは「患者にならないように、患者になっても生活しやすいよう、有害な化学物質を減らすことが大切。多くの人に病気を理解してほしい」と話している。
 専用の相談電話(0856・76・0550)は、午後1時から同5時まで受け付ける。
(2005/06/17:山陰中央新聞)
同様記事 過敏症:中国5県の患者がNPO設立 代表の平原さん、支援の相談開始 /島根
 化学物質過敏症(CS)に苦しむ中国5県の患者約20人がNPO(民間非営利団体)の「CS発信ちゅうごく」を設立した。過敏症のため広島県呉市から日原町左鎧(さぶみ)の山間部に移り住んだ主婦、平原千加子さん(49)が代表を務め、自宅に設けた事務所で患者支援の電話相談に当たっている。
 平原さんは呉市内の一戸建て住宅から96年暮れ、同市内のマンションに引っ越して間もなく、原因不明の頭痛や目まい、吐き気に襲われた。00年冬には体が硬直し、呼吸困難に陥るなど症状は悪化、一時は寝たきりの状態になった。翌年、過敏症と診断されて転地療養を決意。02年夏に日原町に転居した。
 平原さんから3年前に電話を受け、住宅を紹介した隣村の柿木村の福原圧史産業課長は「村を挙げて農薬を使わない有機農業に取り組んでいることを説明した。食材の提供など有機農業ネットワークを通じて協力したい」と話す。
 15日に始めた電話相談では1日5、6件の相談がある。平原さんは「全国には約100万人の患者がいます。化学物質をゼロにすることは考えていませんが、体に有害な化学物質が社会にまん延していることに気付き、使う量を減らすことが大切です」と訴えている。相談は午後1時〜5時、電話0856・76・0550で受け付けている。
(2005/6/25:毎日新聞)